酒は杜氏の工夫で個性を出す
《自分が吞みたいと思う酒を造る》
前杜氏が高齢で辞めた時に、杜氏を探さず自分で酒を造ろうと思った。よそ様に迎合しない自分が飲みたい酒が造りたかった。「前の杜氏は発酵の温度を最後に上げましたが私は最初の方に温度の頂点を持ってきました。」と…。
蔵の特徴は全量袋搾り。昔ながらの造りでポタリポタリと搾り出される酒。ふくらみのある味が特徴。昔は柿渋で染めた袋を自分で作った。これは生地を丈夫にして雑菌を殺す優れものだ。
200年の歴史よりも親父がこの蔵を企業調整から復活させたその苦労の方が重く感じる。
※企業調整とは戦争当時の国の施策で酒蔵は次々と閉鎖させられた。
麹室は土蔵で壁の間には籾殻が詰まっている。→湿気や温度を調整する日本環境にあった蔵で今作れるかどうか…。
蔵元は人のいいお父さん、でも酒造りの話になると杜氏の顔に変わりました。蔵の前で小さな酒屋さんをやっていて近所のお年寄りがたばこを一個を買いに来る、そんなのどかな地域にあります。